18 5 / 2009

"もちろん、安定した吹奏技術習得のためには、しっかりとしたロングトーンを身につける必要があるのだろう。が、主たる狙いは別にある。やはり、吹奏楽部もまた、ちゃらんぽらんな部員が貴重な楽器をいじくりまわすことを嫌う組織ではあるわけで、それゆえ、彼らは、楽隊の音楽的水準を保つためにも不良分子をすみやかに排除したいと願っている。で、そのためには、一年生を半月ばかりマウスピースとともに放置しておくのがちょうど適切な試練になるのだな。  事実、私は、入部さえしなかった。卓球部をやめた後に、器楽部にはいろうと思っていたのだが、ロングトーンの練習風景を見て断念したのだ。 「冗談じゃない。誰があんな軍楽隊みたいなとこに行くものか」  と。  正しい選択だったと思う。私のためも、器楽部のハーモニーのためにも。"